Friday, January 27, 2012

死ぬかと思った引っ越し

今回のオフィスの引っ越し、例えるなら、
ボクシング素人が防具なしでいきなりプロとスパーリングする、そんな感じだった。
フィリピンの業者とガチで仕事をするのはこんなにツライことなんだと思い知った。

基本的にフィリピンでビジネスをする上で「信頼」というものは存在しない。
なので仕事のいたるところで「契約とサイン」を求めてくる。
新しいオフィスビルに移るのにも、政府機関、移転先ビルのマネジメント、現在のビルのマネジメント、消防局など、本当に必要かどうかもわからないような無駄なプロセスがあり、しかもそれがこんなスピードでノロノロと進む。


経験者に話は聞いてはいたものの、契約関係を全て自社で対応したため、
当初予定していた10月の引っ越しからズルズルと後ろ倒しになり、
結局、現オフィスのリースが切れる1月末にどんどん近づいてきた。


何度か引っ越そうとして荷物を運びかけたら、
工事会社のミスで電気回線にミスがあって電気が通ってなかったり、
SI業者にLAN線がどこかで切れていると言われて何時間もチェックしたあげく、ワークステーションで出ているLAN線の反対側の端が天井裏に埋もれてルーターと繋がってなかったり、
そんなことが、引っ越し直前に急に伝えられる。
流石に電気やネットがないと仕事ができないので、
社員にはやっぱり今日は引っ越しはできないと謝ることに。


旧オフィスのリースが切れる4日前に、
電気も直り、ネットも通じるとチェックして満を持して引っ越し。
業務量の少ない夜から始まり、深夜1時に引っ越し完了。
「いやーお疲れ様でした。山超えましたね」なんて言ってたら、そこからが悲劇の始まり。


朝の4時に夜シフトの社員に電話で「ネットが使えない」と叩き起こされる。
うちの業務は、メールでお客さん(特に欧米の市場調査会社)から見積もりを受け、
ネットで自社のデータベースにアクセスして見積もりを作成、返信。
そして受注した案件を、別のオンラインツールを使って運用する。
なので、ネットが使えない=業務が何もできない、ということ。


実際オフィスに行ってみると完全にネットはダウンしてる。
こういう場合に備えて普通は別会社のネット回線を引いてるのが普通なんだけど、
なぜか担当していた社員が同じ会社の線を契約していたのを1月中旬に聞かされた。
上司に今すぐでも変えましょうと言ったのだけど、
バタバタとし過ぎているので引っ越しを終わらすのが先と断られた。それが裏目にでた。


昨日は複数の緊急のプロジェクトが走っていたため、オペレーションを止めることは許されない。
まずは、夜シフトのスタッフとノートパソコンを持って旧オフィスに移動。
家具は全て新オフィスに移動済みのため、床で仕事をしてもらうことに。
こんな状況でマイケルジャクソンを爆音でかけて、
歌いながら仕事をする彼女たちのポジティブさはすごかった。


取りあえず業務はできる状態はなったので、
上司に連絡、朝シフトのスタッフに連絡、SI業者に朝一で来てもらうよう依頼をし新オフィスに戻る。


9時、朝シフトのスタッフが出社してくる。

別のネット回線を引くため別のISPに連絡。
ネットの回線を入れるには最低1週間はかかるので、1月以降にネットが使えなくなるという最悪のシナリオの対策を日本のチームと話し合う。

新オフィスにはネット業者のテクニシャンに来てもらいチェックしてもらう。
1時間程で問題は解決されるがISP側に問題があるとのこと。
11時頃にスタッフを新オフィスに戻す。


13時。ネットが再度不安定になりだし、ついに完全にダウンする。
プロジェクトの状況を確認して、必要なスタッフだけ再度旧オフィスに戻す。
Project ManagementチームのリーダーMycaは、
床もないこんな状況にもかかわらずチームメンバーのケアをしながら、クライアントにも電話する。
見ていて本当に頼りになった。



新オフィスでは、フィリピンでは一番有名で、
でもカスタマーサービスの質の低さが悪名高いISPを使っている。
そこのアカウントマネージャーに電話をすると、案の定たらい回しにされる。
テクニシャンを呼ぶと言われて待っても、言われた時間を何時間過ぎても一向に来ない。


18時。ようやくISPのテクニシャンが到着。
チェックしたところ、ISP側は問題なく、問題はネットワークの設定と言い出す。
ネットワークを設定したSI業者とISPが電話越しに責任のなすりつけを始める。
いつまでたっても終わらないので、
とりあえず、サーバーから何まで全てをチェックしてくれと頼む。




21時。オフィスの回線から、ビル内の回線まで全てをチェックしてもらい、
どうやら問題はビルとオフィスの間を結ぶケーブルにありそうだという結論になり、
ケーブルが途中で切れているのと、ケーブルの接触が弱いのを発見。
全て工事業者の責任だった。


22時。ネットだけでなく、特定のIPからアクセスする必要があるため、
ISPとSI業者で暫定的な解決策を電話で話してもらう。


1時。ついにネットが回復。
次の日の朝にSI業者がネットワーク周りを再設定してくれることになる。
ここまで辛抱強く付き合ってくれたISPのテクニシャンと熱い抱擁をして見送る。


2時。夜シフトのスタッフと旧オフィスでご飯を食べて、新オフィスに移動。



10時。SI業者がチェックに来てくれる。ネットワーク周りでもいくつか問題を発見し直してもらう。
バックアップ用のネット回線は必要だけれど、取りあえずネットは安定。


激動すぎた今回の引っ越し。
これ以外でも走ってる案件の対応もあったり、本当にカオスだった。
でも同時に、
スタッフが罪悪感でいっぱいの僕達に大丈夫大丈夫と、いつも通りに仕事をしてくれていたり、
残って対応してくれたアドミンスタッフが"It's okay. We are all in this together"って言ってくれて夜遅くまでサポートしてくれたり、
緊迫した状況でマネジメント内で深く詰めないといけない問題が浮き彫りになったり、
そんな状況だからこと学んだことも多い。


実はこの新しいオフィス、普通のオフィスを2つぶち抜いているので結構広い。
でも近い将来、またちょっとオフィスが手狭になってきたなと思えるくらい、
いいチームで事業を伸ばしていきたい。

Thursday, January 26, 2012

考え方を考える

当初の計画通り、2012年に入ってからはミドルマネジメントへの育成に力を入れている。
いい社員が集まって、組織体制も落ち着いて、業務経験も溜まってきた。
そんな中で組織を更に強くするべく、
僕達トップマネジメントと社員の間にいるミドルマネジメントにより大きな決定権と責任を持ってもらい、
僕達の指示なしでどんどんことを進めていってもらうのが目的。


うちのミドルマネジメントは、去年の10月に日本に連れていったSandyとMycaの2人。
2人とも凄く優秀で、チームをリードするだけでなく、いい提案も多くしてくれる。
ただやっぱり彼女たちは社会人経験が浅いため、
点の議論に終始していたり、
そもそも話している問題の全体像、原因を明らかにしないまま結論に飛びついていたりする。
僕達の責任でもあるのだけれど、ポテンシャルがあるのにそれが十分に活かされてこなかった。


これが日本だったら、基本的に働いている社員の能力も高いし、
トラブルに直面したときや、業務改善をする場合などに、
まずこういう前提が存在して、こういう問題があって、
それをこういう優先順位で対応する、みたいなことが自然にできる。
ただ、ここはフィリピン。
「日本なら~」とか、「これくらいはできるでしょ」みたいな、
淡い期待、曖昧な前提条件は捨てないといけない。


なので、ミドルマネジメントを育成するうえで始めたのが、
「どう考えるかを考える」こと。
オペレーションででてくる課題やトラブル、
それを経験則やアイディアベースではなく、
どうやったら本質的で、漏れのない解決策を導き、そして実行できるか。
そういった「問題解決能力」が必要。それがミドルマネジメントの仕事。


という流れで、年明け早々、ミドルマネジメントの2人には問題解決能力のレクチャーをした。
問題解決と言いつつも自分が学生時代にかじっていたロジカルシンキングの知識を基に、
これまでフィリピンで働いて学んだことを簡単にまとめたもの。
ステップは4つ。
1. Define Big Issue
2. Create Issue Tree
3. Prioritize and Set Tactics
4. Monitor Progress

まず最初に、根本的な問題を定義する。
現状はどうで、あるべき姿はどうで、そこにはどんなギャップが存在するのか。
例えば、受注額が目標数字に届いていない、KPIが達成されていないなど。


次に、そのBig IssueをMECEになるようにMid Issue、Detailed Issueに分解する。
例えば、受注額が目標に届いていないというBig issueは、
・見積もり精度、対応速度が十分でない
・クライアントとのコミュニケーションの量と質が十分でない
・メンバー間のコミュニケーションがうまくいっていない
などのMid issueからなる。

次に2のステップで洗い出したDetailed issueにプライオリティをつける。
そして、何で、何を、どこで、誰が、いつまでに、どうやって、やるのかを決める。
それぞれの細かい課題に対して戦術を決める。

最後に、それぞれの戦術に「いつまでにこれをやる」というマイルストーンを立てる。
例えば、受注した案件、受注しなかった案件全てを定期的にレビューする。
という戦術をたてたら、XXXの資料をいつまでに作る、そのレクチャーをいつまでにする、など。
あとは立てた解決策がどれだけ効果があるのかも測定し、カイゼンし続ける。


このレクチャーをした後に、
「それじゃあ、このフレームワークに合わせて戦略のプロポーサルを出してね」
と言ったはいいものの、出てきたプロポーサルには結構アイディアベースな点も多くて、
ミーティングを重ね、何度も赤ペンを入れて突き返した。
自分で考えた方が断然早くいくし、
戦略についてゴニャゴニャ話てないで早く実行しないと売上上がらないし、
なんて思ったりしたけど、今回は最初だからと我慢して約2週間ミーティングを重ねた。


でもそのおかげもあってか、案件でトラブルがあったときの対策を話しても、
ちゃんと全体像を見て、問題を分解して、優先順位を考えた意見が増えた気がする。

ただ、実行あっての戦略。
机上の空論で終わらないよう、ミドルマネジメントと一緒にしっかり進捗を確認していくつもり。

Friday, January 20, 2012

【旅ログ】Bali



4年前から続けている海外で年越し企画。
1年目はべガス、
2年目は台湾、
3年目はフィリピン、
そして今年はバリ!


大学時代の友達と続けてる毎年恒例の旅行で、
男だけでむさ苦しいながらも、夜は意外としっとり夢とか語り合ったりする。
社会人になってからもしぶとく続いてる。

4年も海外で年越ししてると、
年末はコタツに入ってみかん食べるより、
ビーチサイドでマンゴスチン食べてる方が年越しって感じがするようになってきた。


友達が教えてくれたバリの観光リスト。

Ubud :
Ibu Oka Babi Guling (豚の丸焼き)
Naughty Nuris(グリル)
Bebek Bengil(アヒルの丸焼き)

Denpasar:
Warung Made(レストラン)
Potato Head Beach Club (バー)
Kudeta Club (バー)
Rock Bar (バー)

Things to do:
Snorkeling at Padang Bai, Karangasem
Rafting at Ayung River at Ubud
Kecak Dance at Uluwatu temple
Cycling at Mount Kintamani


あとは年末に行ったSamaya HotelのBREEZEってレストランも半端なくよかった。
ビーチサイドにある5つ星のレストランって、多分日本なら5万くらいするけど、
そこは年末のディナーコースで1万円とか。かなりいい。



あとUbudとBaliの中間にあるPaint Ballもよかった。
本当にジャングルの中でサバゲーする感じ。
正月に土まみれになりながらほふく前進とか日本じゃあんまりできない。
男連れならマスト。

今年の年越しはマレーシアに決定。
こういうのあると1年のモチベーションが上がるね。
海外年越しって素敵すぎる。



Sunday, January 8, 2012

2012年はアウトプットで語る年に

悶絶するくらい楽しかった年末年始のバリ旅行も終わり、
年が明けて最初の週末も終わり、
これからまた急速に日常に戻っていきそうな予感。

その前に今年の抱負、というか意気込みを書いときたい。
「今年はアウトプット最重視の年にする」
何を学んだか、というインプットだけでなく、
何かを学んで何をしたか、というアウトプットに溢れた年にしたい。


Whatever you can do or dream you can, begin it.
Boldness has genius, power, and magic in it.


新年早々、映画127 Hoursの主人公本人のスピーチを読んで刺激受けた。
日本語の翻訳はこのページで(グループ申請の必要あり)

今年も1年、このブログに失敗、成功、その他いろいろ、アウトプットを綴っていくつもり。
2012年、更に結果で語る男になります。