Sunday, September 15, 2013

【立ち上げ準備 vol.13】小売パッケージ制作 (2)

レストランで小売商品を販売するにあたって、パッケージ制作をデザイナーにまかせるはずが、
前回の記事に書いたような経緯で振り出しに戻り、全部自分達ですることになりました。
たまたまピザ職人のYさんがイラストレーターを使えたため、パッケージデザインはYさんにまかせ、その間に僕はデザートのカップを探すことになりました。

ホーチミンで業務用製品を買うとなったら行くところはひとつ。チョロン市場です。


市内からバイクで20分程離れたところにあるこの市場。
服から鍋からコップまで、基本的に日用品は何でも取り扱っています。
市内にあるショップは大抵こういった市場まで来て大量に仕入れているとのこと。
なのでとにかく安い。ただ、欠点は目当ての商品が非常に探し辛いこと。


基本的に市場の人は誰も英語を話せないので、ベトナム人スタッフに付いて来てもらって目当ての商品がどこで売っているか聞きまわります。
別件で初めてチョロン市場に来たときは口頭で説明しても誰も「知らない」とそっぽを向かれたので、今回はその反省を活かして以下の写真をiPod Touchに入れて対策は万全。


この写真を見せて、スタッフにお店の人に聞いてみる。そうすると「たぶんあっちだよ」と指差してくれるのですが、それを10回、20回と重ねても目的の商品は見当たらず。
それでも市場の細い道をぐるぐると探しまわります。


それでやっと見つかったのがこれ。


惜しい!
ティラミス系のデザートを入れるので、これだとちょっとチープ過ぎます。
お店の人に「もっとスタイリッシュなのない?」と聞いたら、
「ない!」とバッサリ切り捨てられました。

これはもうダメだとチョロンを後にし帰宅。
後日、最後の手段として日本から輸入することに決定。
ただそんなに頻繁にはできないので、業務用のものを1回で大量に仕入れることに。

早速めぼしい会社にメールすると、その2時間後に見積もりが返ってきました。
重ねてカップの素材や耐熱温度について質問すると、30分後に返信が。
この時ばかりは日本の会社の仕事の早さに悶絶しました。

できれば紙袋からピザボックスまで全て日本の会社に発注したいくらいです。
ただコスト的にそんな訳にはいかないので、デザートカップ以外はベトナムのサプライヤーと進めています。

それで日本から届いたのがこれ。


イメージとドンピシャです。
右はプリン用で耐熱容器でないといけないため、理想のデザインではないのですが全く問題ありません。

今回は現地で業務用のモノを買うという点で非常に勉強になったのですが、さすがに毎回こんなことしていたら非効率的過ぎです。ノウハウをしっかり溜めて、イーコマースで似たことをするときはスピーディに対応できるようにしないといけないですね。

デザートカップは入手し、残るは紙袋、ピザボックス、保冷剤です。
紙袋とピザボックスは現地のサプライヤーから今週サンプルが届く予定で、保冷剤はいま自分で作っています。パッケージ制作プロジェクトはもう少し続きます。

Friday, September 13, 2013

【立ち上げ準備 vol.12】小売パッケージ制作 (1)

バイク大国のベトナム。
過去に日本とアメリカで運転免許試験で2度落ちた僕は、依然とエンジンの付いた乗り物に乗れません。
なので、外出するときはレストランスタッフの運転するバイクの後ろに乗せてもらい、
排気ガスにまみれ、ホーチミンのバイクの波をかきわけ走り回っています。

僕がいま作っているのはイーコマースというウェブサービスなので、
基本的にはオフィスの中で完結するもの、と思っていたら全然そんなことありませんでした。
パソコンやルーターのオフィス用品の買出しから、商品の梱包に使うダンボールの購入からそのデザインの交渉まで、通訳兼のベトナム人スタッフと一緒に街中を駈けずり回っています。


日本だったらインターネットで数クリックすれば済むような雑務も、ベトナムでは普通に数週間かかってやっとできあがります。例えば、いま僕がしている小売パッケージの製作もその一例。
Pizza 4P'sは最近3度目の拡張工事を行い、店舗が広くなりテーブル数が増えただけでなく、新しくお店の中に商品販売所ができました。そこでまず自社製品のチーズやデザートを小売販売しようということになっています。

そこで必要になるのが、
・紙袋
・デザートカップ
・デザートを入れる箱
・保冷剤
などの小売販売用品です。

また折角なので、この際テイクアウト用のピザボックスも製作しようということで、僕がまとめて引き受けることになりました。といっても僕も他にもやることが山積みなので、もうこれはデザイナーに一括してまかせようと、お店のFacebook pageに以下のポストをしました。

何名かの応募があり、過去に大手小売店のパッケージを製作したことがあるというベトナム人デザイナーと会ってみることにしました。ただ、そこからが長いパッケージ制作の道のりの始まりなのでした。

最初のミーティングでは、まずは紙袋の制作をお願いしようと用件を説明。
次の日には見積が送られてきて、悪くないので話を進めてみました。
2回目に会ってみると奥さんとペアルックで登場。
別にそれ自体悪いことではないですが、このあたりからちょっとおかしな匂いがしてきました。

奥さんはタフネゴシエーターで、「あなた達は外国人だから紙袋メーカーに直接話すと絶対割高な値段を要求される。だから全て私達にまかせなさい」と言います。
内心確かにそうかもしれないと思いつつ彼らの持ってきた提案を聞こうとすると、どこかのお土産屋さんから持ってきたような紙袋を2種類テーブルに置き、「こういうのを作ります」と一言。
あまりにざっくりした提案にこちらは唖然。

具体的な提案を求めても何もアイディアがでてこないので、「袋はベースはこの色かこの色で、ロゴはこんな大きさで、紐はきっとこの色」という感じで、気づけば僕達が彼らに提案していました。
彼らが帰った後に、もしかしたら全部自分達でやった方がいいのかもしれないねと、印刷業者を数社回ってみることにしました。


そうすると、回った全ての業者がデザイナーの提案した紙袋代より2割ほど安いことが判明。しかも紙袋のデザインフィーも込みでその値段です。

帰り際、もうこれは全部自分達でやろうと決定。
メールでのやりとりを含めコンタクトをとったデザイナーは数人ですが、信頼度・提案力・コミュニケーションの問題を含めて、この国で外部の会社・個人とビジネスをする難しさを痛感しました。
フィリピンでもオフィス移転のときに現地の工事会社とのやりとりに同じ苦しみを味わいました。

ともかく、ここから紙袋、ピザボックス、デザートカップと、パッケージ制作の長いプロジェクトが始まったのでした。


Sunday, September 8, 2013

【立ち上げ準備 vol.11】ウェブサイト制作 (1)

エンジニアもいない、デザイナーもいない、
ないないずくし、というか社員は僕しかいないイーコマースチームですが、
少しずつ前進しております。

まず、サービス名はBox 4P's(ボックスフォーピース)に決定しました。
名前をつける上で、クリスマスプレゼントの箱を開けるようなワクワク感だったり、
ビックリ箱を開けたときの驚きのあるサービスにしたいという想いがあり、
"Box"という言葉はいいなと感じていました。

"4P's"というのはもちろんPizza 4P'sから来ているのですが、
最初の頃は自分の事業だという想いが強く、Peace BoxだったりBox for Peaceという、あえて4P'sの名前は使いたくなかった時期がありました。
ただ冷静になって考えてみて、それはただの自分のエゴであり、既に確立されているPizza 4P'sのブランドと信頼を使わせてもらうのが王道な判断という気づきもあり、最終的にBox 4P'sに落ち着きました。

Pizza 4P'sが培った食のノウハウ、ベトナムでの信頼を基盤に、イーコマースという分野で更にその価値を最大化させていきたいと思います。


次にサービスの開発ですが、
ベトナムでイーコマース事業をする上での優先順位を考えた際に、最優先すべきは自社商品の開発、販売商品サプライヤーの確保、物流ネットワークの構築の3つだと判断し、システムの開発は内製でなく外注することにしました。

幸いイーコマースはオープンソースのCMSが数多く存在し、機能も充実しているので、フルスクラッチで開発する必要もなく、外注でも念入りに要件定義をすればスムーズに開発が可能です。

また、お仕事させて頂くことになった制作会社さんにも恵まれました。ベトナムにオフショア拠点を持っている日系の開発会社さんなのですが、仕事が丁寧でレスも早く非常に助かっています。また、日本に帰った際にその会社の代表の方に挨拶に伺ったのですが、「僕達は売上のためでなく、君達に可能性を感じるから仕事をさせてもらっている」というお言葉を頂きました。
「君に期待している」というこの言葉は腹にズドンと衝撃が走り、サラリーマン時代には感じたことがないような責任の重さと高揚を感じました。


あともう1つはサービスのロゴですが、
益子さんもブログを書かれていましたが、クラウドワークスを使ってロゴを公募したところ、2週間でナント87件もの提案を頂き、その中から悩みに悩んで決定させて頂きました。
この記事の一番上の写真がそれです。他の全提案はこちらからご覧頂けます。


ロゴ制作は、1人のデザイナーに任せるとどうも偏りがでてしまうため、その人と感性がピッタリ合えば問題ないのですが、そう上手くはいきません。クラウドワークスはコンペ形式で多くのデザイナーから異なる角度から提案を頂けます。しかも費用は2-3万円とかなり費用対効果もよいです。

コンペプロジェクトが始まったばかりの頃は、用件定義に事細かに説明したにも関わらずイメージと全く違う提案を頂いてハラハラしましたが、最終的には僕達の思い描いていたロゴイメージの一歩先を行く提案を頂くことができました。また、僕自身デザイナーの方の心境を考えず身勝手な要求をしてしまうなど反省点も多くあり、また1つ勉強させて頂きました。

こちらのコンペの告知はFacebookを通していろんな方に拡散して頂きました。
改めましてご協力ありがとうございました!


サービス名が決まり、サイト制作も進み、ロゴも決定。
今週から2名の優秀なパートタイムスタッフを雇うことになり、やっとチームらしくなってきました。

Box 4P'sはアジアの食生活を豊かにするサービスを目指して、更に加速していきます!