Thursday, August 11, 2011

単調タスクと考えるタスク


フィリピン人をマネジメントするのに、
「単調タスク」と「考えるタスク」を分けて采配することはすごく重要だと思う。
ここでいう単純タスクというのは、全てマニュアル通りにやれば済むルーティンタスク。
考えるタスクというのは、提案や分析など言葉の通り自分の頭で考える必要があるタスク。

なぜなら、
1. 単調なタスクを黙々とやった方がパフォーマンスを発揮できるスタッフもいれば、
 何か新しいことにチャレンジした方がパフォーマンスを発揮できるスタッフの両方いるから
2. 単調タスクに「考える」というプロセスを入れてしまうと、フレキシブルに対応できずミスが増えるから

例えば、僕が管理しているチームで、
クライアントに出した見積もりを随時データベースに入力して、
それを月に1回クライアント別、案件タイプ別などに分析してレポートを出すタスクがある。
そもそもの入力データが間違っていたら意味がないので、昔は僕がデータに間違いがないかチェックしたり、レポートの作成もいちから一人でやっていた。
でも僕がアメリカに行くタイミングで、それを現地のスタッフに任せることにしたのだけど、マニラに帰ってきてチェックしたら、データ入力にミスがいくつもあったり、レポートを作ったはいいけどそこから分析や提案ができなかったりで、逆にタスクが増えてしまっていた。

仕事の責任を現地スタッフに任せていくというのは、組織の成長においてとても重要。
今回の失敗は成長痛とも言えるけど、そもそも僕の采配がよくなかったのが根本にある。


データ入力はルーティン作業でもあるし、結構緻密な作業。
各自が見積を出すことに入力するので、細かい作業が得意な人とそうでない人で、ミスをする頻度にばらつきがある。
スタッフ間でチェックし合う仕組みを作ってはいたのだけど、それでもやはり毎日同じような作業を続けていると人為的なミスは起きている。
「みんな気をつけようね」と意識レベルの話をするのではなく、元から単調なタスクが得意なスタッフをアサインしてチェックしてもらった方が効果的だった。

データ入力ミスを分別すると、
・入力忘れ
・変更忘れ
・誤入力
の大きく3つになる。
入力や変更を忘れるということは体系的にチェックをするようにすればある程度は防げる。
誤入力もウッカリのミスだったなら対策をたてることは可能。
でも、入力するルールの理解が間違っていたり、
データの入力にスタッフの判断を介する必要があったから誤入力があった場合、
それはそもそものタスクを振り方に問題がある。

単調作業をミスなく進めてほしいのなら、
前提条件は必ず全員に共有されているべきだし、
そこに「考える」というステップをいれてはいけない。
全てがマニュアル通りに対応していれば正解、という状況にしないとそもそもチェックができない。特にフィリピン人はその場の状況に応じてフレキシブルに対応ということが苦手だと思うので、尚更ここは徹底した方がいい。
どうしても「考える」要素が取り外せないときは、責任者に確認というマニュアルにしてしまった方がいい。

まとめると、単調タスクは「それを得意な人に」「徹底的にマニュアル化」して采配するべき。日本でそこまで極端にタスクを分けてしまうと、アルバイトとかでない限りモチベーションががっくり落ちていまいそう。でもフィリピンだとそれくらいキッチリ自分の仕事が決まっていた方が心地よいという人が結構多いのではないかと思う。


2 comments:

  1. >日本でそこまで極端にタスクを分けてしまうと、アルバイトとかでない限りモチベーションががっくり落ちていまいそう

    自分自身が単調タスクが苦手でモチベーションも上がらないから、
    誰かにやってもらう時に自分ベースで考えちゃってすごい頼みづらいんだよね。

    黙々とこなしてくれる人もいるんだけど、不満持ってるのかどうか理解できない。
    フィリピンの場合、どこで単調タスクが得意!って人を見分けてる?

    ReplyDelete
  2. 悪い意味ではなく、植民地時代の影響でフィリピン人は国民性的に単調なタスクをこなすのは得意なんだと思います。だからBPOビジネスはいまフィリピンがインドを超えて世界一ですし。

    でももちろん個人によって違いはあるので、スタッフの得意不得意は、実際面談で聞いていました。ただ、中々日本人が聞いても本音は出てこないんですよね。

    なので、しっかりしたミドルマネジメント(フィリピン人)を育てて、その人に各スタッフの声を吸い取ってもらって、いろいろ相談してます。

    ReplyDelete