Monday, November 28, 2011

【旅ログ】Jakarta


「ジャカルタは誘拐が多いから、車なしで街を歩き回るなんて自殺行為だよ」
と学生の時にインドネシア人の友達と交わした会話が、僕の中のジャカルタの第一印象。
イスラムの国でテロも多くて、治安も悪くて、街も汚い。
そんなステレオタイプがいつの間にか出来上がっていた。


今回Thanks Giving Holidayに合わせて実際行ってみると、
その悪いイメージは綺麗さっぱり払拭された。
街は綺麗だし、治安もいい、人のモラルも高いし、宗教色もそこまで強くない。
比較基準がマニラだったというのもあるのだけど、
ジャカルタの発展具合に度肝を抜かされて帰ってきた。


特に人のモラルの高さには驚いた。
マニラにいると、殆どのタクシードライバーはボタっくろうとアホみたいに高い値段をふっかけてきたり、街中の警察はショットガンを抱えてウロウロしてるし、この前XXXで強盗にあったなんてニュースは日常茶飯事、というかもはやニュースにもならない。
街全体に「騙すか騙されるか」みたいな怪しい空気が漂っている。
一方ジャカルタは、タクシーの運転手にしても、街ですれ違う人にしても、そんな怪しい雰囲気を感じることはなかった。僕が観光で来ているから気づかないだけかもしれないけど。


一番衝撃的だったのは、ジャカルタで働いてる先輩がレストランに財布を忘れてきたときのこと。財布の中には10万円近い現金とクレジットカードが入っていた。現地の人にとったら年収くらいの額。それなのに、数時間後に財布がないことに気づいてレストランに戻るとしっかりレストランのマネージャーが保管してとっておいてくれた。1円も盗られてなかった。
マニラなら99%財布は戻ってこない。


インドネシアは、島国のためロジスティクスを整備しづらいことや、
政治腐敗、多民族多言語と、問題は多くある。
でも、2億3千万人という世界で4位の人口、そしてこの勤勉で誠実な国民性。
この国は伸びていくんだろうなと直感的に思った。


今回の旅行は数週間前に直感で決め、
現地に着くまで(着いてからも)全くノープランだったので、いろんな人達にお世話になった。

ジャカルタで働いている同じ会社の先輩と同期には、
アパートに泊まらせてもらって、ご飯にも連れて行ってもらった。



Facebookに「ジャカルタ行くよ」とポストしたら、
大学時代、同じ授業をとってたインドネシア人の子がレスしてくれて、
その子とその子の彼氏がナイトマーケットを案内してくれた。



あと最終日にはCouchSurfingの友達とランチして、
ローカルのモールと、ドリアンのスイーツのお店に連れていってくれた。
CouchSurfingに関してはこちら


僕は旅行するのに、遺跡や博物館を回ったり、
地球の歩き方に書いてあるお薦めスポットを回ったりするのは好きじゃない。
モノには興味があまりないので。
やっぱりこうやって現地に住んでる人と会話するのが一番楽しい。
それでローカルの人のみぞ知るところなんかに連れて行ってもらったらより楽しい。
旅行はやっぱりヒトありき。


だからそのために世界中に友達を作りたい。
大学の知り合いや仕事関係では、そんな新しい出会いはめったにないから、
今年の残り1ヶ月と来年はもっと積極的にCouchSurfingを使っていきたい。

今年も残りわずか。
次の旅の目的地は年末のバリ!

<写真まとめ>
20111128 Jakarta


Saturday, November 19, 2011

週末スタッフランチ



新しい日本人マネージャーが先週からマニラ入り。
「チーム」をより強い「組織」にしていくべく改革が進んでる。
英語も喋れて経験も豊富な人で一緒に働いてて面白い。

その人の歓迎も含めて、今日は僕のアパートでスタッフとランチパーティ。
ちょっと誘うのが急だったのだけど、全体の3分の1ぐらいのメンバーが来てくれた。
前日にLittle Tokyo行って食材を買い込み、
ミートソーススパゲッティ、お好み焼き、ラーメンと、
フィリピン人の好みど真ん中な炭水化物コースを作ったら、
「マサラップ!!(タガログ語でオイシイ)」って言ってガツガツ食べてくれた。

小さいチームだから出来ることだけど、
こうやって上司と部下、日本人とフィリピン人みたいな壁を壊していくイベントは大切だと思う。
仕事上の信頼関係だけじゃなく、こういうパーソナルな付き合いを重ねることで生まれる「家族的な」信頼関係はフィリピンではより重要。(以前も何回か同じような記事を書いたけど

仕事のためだけじゃなくて、こういう集まりって個人的にもすごく好き。
「Bryan (うちのオカマスタッフ)って毎日女性ホルモンのピルを飲んでて、常に微熱があるらしいよ」
とか、
「しかも、毎日お風呂で牛乳使って体洗ってるらしいよ」
とか、
今日もいろいろ笑わせてもらった。
いいチームだ。

Happy weekend!

Monday, November 7, 2011

しょっぱいチャイティーと仕組み化



昨日インド料理屋で夕飯を食べていて、チャイティーをオーダーした。
友人と話しながら特に何も考えずにチャイを一口飲むと、


!?


激しょっぱい!

「いやそんなはずはない、多分本場のチャイだから渋いんだ。さっきインド人いたし」
と思って、もう一口飲んでみると、、、やっぱりしょっぱい。

これはおかしいと思ってウェイトレスに聞いてみると、
厨房で何やらゴニョゴニョやって帰ってきて、
「サー、どうやらシェフが間違えて塩をいれてしまったようです。ソーリー。」と苦笑い。
昭和の笑い話ですかと思いながら、厨房に戻されるチャイを見つめる。

日本なら絶対こんなことは起きないはず。
というか海外いろいろ行ってるけど、こんなの人生で初。



ちょっとあまりにショックで、何でそんなことが起きたんだろうと少し考えた。
これは料理のレシピが悪いとか、従業員の質が悪いとかの話ではなく、
マネジメント(料理人)が料理のプロセスを仕組み化できてないからじゃないかと思った。

以前、オペレーションの中で単純なタスクと考えるタスクは分けるべき、ということを書いた。
黙々とこなしていくようなタスクは仕組みまで落とし込んで、「考える」というステップを完全に排除するべきという内容。
仕組み化されたタスクは、この場合はこう動くという次のステップが明確にされているので、
業務スピードも上がるし、クリティカルな問題が起こることもなくなる。
でも、そこに「考える」という判断をする機会を与えてしまうと、
たまに「うっかりと」致命的な間違いを起こしかねない。


今回のインド料理屋のケースも多分そうで、
砂糖と塩は同じような容器に入れられて、特にラベルとかも貼らずに置かれてたんだと思う。
なので、シェフが集中しないで何となく砂糖だと思って掴んだものが実は塩だった。

自分が過去キッチンで働いていたときは、
調味料は色の違う容器にラベルも貼られて置かれていて、
それ以外にも、フライパンはここ、海老はここ、キャベツはここ、という風に、
全てが常に所定の場所に置かれていた。
なので、料理しているときに「あれ、ゴーヤはどこだっけ?」なんて風に探さないで済む。


仕組み化というのは単なる効率化だけでなく、
ケアレスミスを減らすのにもものすごく重要になってくる。

という感じで、「うん、これはきっと仕組みの問題」と片づけたいけど、
チャイを片付けた後、まったく反省の色がなくヘラヘラしていたウェイトレスを見て、仕事に対する責任感の欠如っていうのも絶対あると思った。
これはフィリピンの国民性だから変えられないことなのか。
そもそも日本が特殊なのか。よくわからん。

Sunday, November 6, 2011

モチベーションについて

先週の金曜日、スタッフの1人が退職することになった。
実は、数ヶ月前からチームリーダーに「彼女の仕事へのモチベーションが低くて困っています」という相談を受けていた。
それで先日、業務評価、勤怠、面談など全ての評価を考慮した上で、
「この職場は君に向いてないんじゃないかな」と、こちらから退職を勧めることになった。

これでスタッフの退職は立ち上げから数えて4人目。
1人目は家庭の事情、2人目は転職、
そして今回のスタッフを含めて、あと2人はモチベーションの問題。

最初の2人は僕達はどうしようもできない部分だし、そこまで問題にしていないけど、
モチベーションの問題というのは結構組織に取ってクリティカルで、
どうにかならないかと頭を抱えている。

「仕事に対するモチベーションが上がらない」というのは、
オペレーションという業務をする以上避けられないことだとは思う。
しかも、それがBtoBビジネスで、マーケットは海外で(フィリピン人にとって)、
日々単調な業務で、極めつけは日本人社員の多くが英語があまり話せないという状況。

例えば自分が、メキシコのペンキ会社とかの業務アウトソース先で、
毎日同じような見積もりをだして、上司が英語喋れなかったりしたら、
多分会社を数ヶ月で辞めると思う。

だからこそ、僕達はできる限りフィリピン人そして自分達のスタッフが考えていることを理解しようとして、安定した居心地のよい、フィリピン人に求められる職場環境を整備しようとしてきた

採用時には、必ず何層ものふるいをかけて優秀な人のみを選ぶようにするし、
優秀さだけではなく、会社の雰囲気に合いそうかというのも重要な指標にしている。

それもあってか、
うちに長いこと働いてくれているスタッフは、「真面目で、勤勉で、安定を好む」人が多いと、先週スタッフが辞めた際に気づいた。
養う家族がいるので、フィリピン人の優秀な人の大多数がそういう性格だと思うけど、たまに例外がいる。

・ビジネスマインドを強く持っていて、独立志向がすごく強い人
・地頭はすごくいいけど、勤怠が悪くミスも多いような不真面目な人

新しく入ってくるスタッフは、面接やインターンで組織への適応度は細かく見られるのだけど、やっぱり長期的にでないと見えないこともたくさんある。長いこと会社にいると、採用時には見れなかったその人の本当の性格が見えてきて、会社の雰囲気に合わない人達は自然とモチベーションが下がり、組織の中で浮くようになり、退職ということになる。

今回もそんな流れに沿って退職を勧めることになったのだけれど、
同時に、残っているスタッフへのモチベーション維持をどうするか、という問題のアラートでもあったと思う。

いくら安定した仕事がフィリピン人に求められて、いい会社の雰囲気を保っていても、
単調な作業も何年も何年もやって優秀なスタッフがついて来てくれるほど甘くない。
その組織にいて「自分は成長できている」という成長の実感、
「この仕事は世の中の役に立っている」というやりがい、
がないとダメなんだというのは分かっているんだけど、うまく行動に起こせていない。

問題は、前者はマネジメントの未熟さ、
後者はBtoBというビジネス構造、会社のビジョンの問題、
なのかなと思う。

オペレーションチームの立ち上げはうまくいった。
でも、それを長期で維持していくというのはた別の問題。
どうやって社員のモチベーションを維持するか、というのは組織運営の永遠の課題だと思う。
ただ、それに何とかして向かい合っていかないと先は見えない。