Tuesday, January 18, 2011

【本レビュー】Delivering Happiness


競合ひしめくアメリカのECマーケットで、
飛ぶ鳥も落とす勢いで急成長を遂げた、靴に特化したオンラインEC企業Zappos.
2009年にAmazonに買収されて、一時メディアで大騒ぎされていたのも懐かしい。

そのZapposのCEO Tony Hsiehの出した本 Delivering Happinessを、
先週末、Balerから帰ってくるバスの中で読み終えた。

初めてZapposを知ったのは大学のIntro to Entrepreneurshipの授業で、
「あなたの一番好きなウェブサービスは何か?」という教授の質問に、
クラスメイトの1人がZapposと答えて知ったのがきっかけ。

Zapposは、単なる靴やアパレルをオンラインで売っているだけではなく、
その徹底された企業文化とカスタマーサポートで急成長してきた会社。
POCでも会社のカルチャー作りや、クライアント対応という面で非常に参考にしている会社でもある。

この本ではTonyの起業経験談から、Zapposの生い立ち、
そして最終的には「人生何の為に生きるのか?」という幸福論まで書かれていた。

Zapposの凄いところは、この本の題名でもあるDelivering Happiness、
つまり顧客に幸せを届けることを組織の最大の目的に掲げていて、それを徹底していること。
採用、育成、広報、流通など、全てのオペレーションが利益を最大化することだけでなく、
顧客満足を最大化することにフォーカスされて行われている。

更に凄いと思ったのは、その目的のために会社がとっている施策、キャンペーンは、
単に理念や理想を追いかけるだけの取り組みではなく、
しっかりとしたロジックと仕組みでバックアップされていること。

例えば、ユーザーからの問い合わせの電話を取ることはZappos社員の1番のプライオリティに設定されている。
全体の売上の95%はオンラインからで、電話からは5%以下なのに、
コールセンターを海外にアウトソースするのではなく、敢えて社員にやらせている。
それは、ユーザーからの対応に社員が誠心誠意対応することで、
ユーザーの満足度を上げ、更には会社のブランド作りに繋がると考えているからだそうだ。
実際、Zapposの認知度はユーザーが広告塔として口コミで急増化していったし、
売上の7割はリピーターから生まれているらしい。

この他にもZapposでは聞いて驚いてしまうような一風変わったな施策がされている。
それらが例え「これは面白いのでは?」というアイディアベースで生まれたものだとしても、
直接的であれ、間接的であれ、求める成果に対して必ず貢献すると裏付けられているものが、
仕組み化され、徹底的に取り入れられている。

マネジメントにおいて、この成果への貢献というものは肝だと思う。
組織は日々、自分達が「あるべき姿」に近づくために動いている。
だから、採用、育成、広報、流通、営業など、組織内の全ての動きは、
その組織の理想像に最短距離で近づくためものでないといけない。

Zapposのとっている施策はcounterintuitiveなものが多いし、キャッチーな響きがするものも多い。
でも、それらを確実に成果に繋げているというZapposのマネジメントは、
10年で100億円企業を作り出しただけあって、学ぶことがいっぱいある。

*参考リンク
Zappos Core Values


Blog: Delivering Happiness, A Path to Profits, Passion, and Purpose

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