Sunday, December 25, 2011

日本に帰ると憂鬱な理由がなんとなくわかった

12/23~29まで日本に帰国中。
本来なら、自分の生まれ育った国に帰ってくるというのは嬉しいものなんだろうけど、
いつからか日本に帰るということが憂鬱になってきた。
今回は特にそう。冬が嫌いだからっていうのも半分くらいあるけど、
街を歩いていたら何ともいえないネガティブな気分になった。


なんでなんだろうと電車に揺られ窓の外を眺めながら考えてたら、
スッとひとつの答えが浮かんできた。
「自分はこの国の生活に飽きてしまったんだ」と。


そうかそうか、そうなんだ。
それがきっと僕が日本にいて楽しく感じない理由なんだとわかった気がした。


考えてみれば僕が中学生だった頃といまって何も変わっていないように思える。
少なくとも僕の周りでは。
街も人もテレビの番組も、クリスマスの過ごし方も、何もかも変わってない。
唯一変わったのは、社会人になった自分には十分なお金ができて、
昔は行けなかったような店に入れたり、変えなかった物が買えるようになったくらい。
ゲームでいうと、レベルは上がったけど戦っているステージは変わっていない感じ。
根本的には僕を取り巻く世界は変わっていない。


じゃあ逆に僕は何を求めているのかというと、
大雑把にいうと「前に進んでいるワクワク感」で、
ステージが変わったときに出てくる新しい景色、違うタイプの人達、
今までは見たことのないアイテムから、チャレンジングな敵、
そういった新しい世界を求めているんだと思う。


しかも、ただ単に新しいだけじゃなく、
「経験を積んで自分のレベルが上がり、それで且つ次のステージに進んでいっている」
そういう開拓・冒険感こそ自分の求めてるものかと思う。


サンフランシスコやマニラでの生活は楽しかったし、
シンガポールやジャカルタへの旅行も刺激的だった。
別に日本がそういった国/都市より劣っているかといったらそういうわけじゃない、
ただ僕個人、日本に帰るとその冒険感を感じることができず、
逆にシュンシュンシュンと萎んでいってしまう感じがする。


日本はご飯美味しいし、慣れしたんだ友達もいる。
でも帰ると憂鬱というか、元気がいまいちでないのはそのせいなのかもしれない。

Friday, December 23, 2011

フィリピンのクリスマスパーティ (2年目)

またやってきたクリスマスシーズン。
去年に続き、会社のクリスマスパーティは2回目。

フィリピンはカソリックの国だけあって、クリスマスの盛り上がりようは半端ない。
月の終わりにberがつく、Ber monthといわれる9月(September)から、
クリスマスのお祝いが始まり、11月中旬に一度落ち着きを見せて、
12月にはグググっとピークを迎える。

会社でも福利厚生の一環として、クリスマスパーティには厚めに予算を割いて、
ちゃんとしたパーティを開くことにしている。
去年は全部自分が取り仕切ってたんだけど、
今回はさすがにそんな余裕はないので、パーティの1ヶ月前にパーティ実行委員会を結成して、
一通りスタッフに取りまとってもらった。そんなことができるのも組織の成長の証。

幸か不幸か、今年のパーティのホストは唯一のオカマ社員Bryan (女名 Breanna)に決まり、
場所は高級モールのカラオケ、ディナー付き(白米はもちろんお替り自由)、
ドレスコード有り、パーティテーマはNaughty and Nice、という意味不明なパーティに。

パーティ前の記念写真

ホストのBryan (左)

ビュッフェ(お替り自由)

クリスマスプレゼント

仕事はシフト制なので、めったに社員が全員集合することはないんだけど、
こうして見てみると、17人の社員のうち16.5人(Bryanも入れて)は女性なのかと改めて驚いた。
パーティは、Bryanの用意したゲームがあまりに卑猥すぎて一瞬会場に戦慄が走ったけど、
皆笑いに笑って、マイクを取り合いながら歌って、白米もたらふく食べて、みんな楽しそうだった。

チーム戦での出し物は本当に面白くて、
特に専属清掃員のCherwinが小悪魔の格好で踊りながら、
スイカをナイフで彫ってバラの花にしてみせたのは圧巻。





去年の12月では10人だったチームが、
今年に入って9人増え、ちょっと大きすぎるかもねと言っていたオフィスも手狭になり、
来年の1月には新オフィスに移転する。

来年もいいクリスマスが過ごせるように、もっともっといいチームにしていかないと。

Sunday, December 11, 2011

「長い目」で見る重要性

以前、オペレーションでミスを防ぐためには、
単調タスクと考えるタスクを分ける必要がある」と書いた。
マニュアル化できる業務は徹底的にマニュアル化し、
社員のインサイトやクリエイティビティが必要になるものは、
別に切り出して采配する必要があるというもの。


ただそれには弊害があって、こちらでも書いたけど、
フィリピンではマニュアルに盲目的に従ってしまう人が多いことから、
イレギュラーなことが起きた時や、マニュアル自体に間違いがあったときなど、
方向修正できず、間違った方向に突き進んでいってしまうことがある。


「マニュアル化」と「自分の頭で考える」というのは、
相反する考えなわけで、それをカバーするにはそれなりの施策が必要になる。
僕達は、フィリピン人と日本人社員の間にミドルマネジメントを立てて
彼ら、彼女らを育成し、蜜にコミュニケーションをとっていくことで解決しようとしている。
この施策は、業務を管理するだけでなく、問題があったときにフレキシブルに対応や、
見えない問題の早期発見にとても役立っていると思う。


なので業務のミスをなくすために、
ミスをしないような仕組みをつくる、という短期的施策と、
盲目的に仕組みを従いすぎないように人を育てる、という長期的施策をとっている。


それにも関わらず、最近ちょっと大きなミスが発生した。
簡単にいうと、業務で使う重要な数字を間違って入力しており、
そのミスに連動して業務上の他の数字にも大きな影響を与えた。
幸いクライアントには影響はなかったのだけど、
ミドルマネジメントもそれに気づかなかったというのが更に問題になった。


問題を発覚したときは、
イレギュラーな問題ではあるけど、ちょっと考えればわかるなことが、
なんでミドルマネジメントが気づかないのか、と怒りそうになった。
でも冷静に考えてみると、今回の一件は僕達が「ミドルマネジメントはこれくらいできるべき」という期待を元にして見ているからそう思えるわけで、
長期的な施策の中で生まれたミスは大事にせずグッとマネジメントはこらえないといけない。


仕組み作りのような短期的な施策でミスがあった時は、
責任の所在をはっきりさせてPDCAをグルグル回す必要がある。
でも、人の育成のような長期的な施策でミスがあったときは、
上の人間が堪えないといけないことも多くあるんじゃないかと思う。
またそういうミスがあっても当事者を強く責めずに、
「長い目」で見て、かばってあげるのもマネジメントの仕事のひとつなんだと思う。


Saturday, December 10, 2011

雇用を守る責任

いつもお世話になっている砂川さんがうちのスタッフについて書いてくれた。
人としてのクオリティ

ブログはうちのオフィス専属のJanitor (清掃員)についてなんだけど、
彼はめちゃくちゃ勤勉+積極的で、
たまにメッセンジャーみたいなことをしてくれてる思ったら、
こちらが頼んでいるわけでもないのに、アドミン業務までサポートしてくれている。
しかも、過去にクルージングシップで働いていた経験があって、
ナイフ1本あれば、スイカで花の彫刻を作れちゃう多才な彼。

入社したときに撮った写真

彼は結婚していて養う家族がいる。
だからこそ定職を見つけられてすごく嬉しかったんだと思う。
彼だけでなく、うちで働く社員の殆どは若くても既に一家の稼ぎ頭だったり、
子供がいたり、養う家族がいる。

そんな彼らを見ていると、自分にはビジネスを成功させる責任だけでなく、
彼ら彼女らの雇用を守る責任もあるんだと強く感じる。

日本で働いているときは、そんなことちっとも考えなかった。
でもフィリピンみたいな発展途上国で働いていると、
それはとても自然でリアルな責任感なんだと思う。

Monday, December 5, 2011

仮説検証できないフィリピン人

うちの社員は本当に真面目な子達が集まっていると思う。
地頭もいいし、英語力もネイティブ並み。
1年半フィリピンで働いて、フィリピン人の優秀さには何度も驚かされてきた。
(ただしトップレベルの大学を卒業している人だけ)
しかもこの能力で日本人の給与の10分の1とか、
日本、本当にやばいんじゃ…と考えさせられる。


一方、やっぱりフィリピンじゃ日本は絶対超えられないなと思うことももちろんある。
僕はフィリピン人に一番欠けている能力は「仮説検証する力」だと思う。
噛み砕いて言うと「自分の頭で考える力」「工夫する力」など。


優秀なフィリピン人は与えられた仕事はしっかりとこなす。
自分のやるべきことが定められ、明確な指示さえあれば、どんなに単調な作業でも黙々とこなしてくれる人が多い気がする。
ただそれと引き換えに、指示やマニュアルを盲目的に従って、神風特攻隊のように間違った路線一直線に進んでいってしまうことがある。


例えば、見積りオペレーション1つをとっても、
本来ならば、状況に応じてどうやったらより多く受注できるのか考えるのは仕事のうち。
それが、単に会社のシステムを使って機械的に見積りを出すだけに留まっていたり、
悪いときにはイレギュラーな要求を、何も考えずにマニュアル通りに対応してクライアントを怒らせてしまうこともある。
そんなの序の口で、最近もっとたちの悪い神風が何機も突撃、爆破していて正直参ってる。


日本人なら、何らかの指示や施策があったとき、
状況に応じて「あれ、これは本当にこれでいいんだろうか?」
と疑問を持ち、上司に質問したり、自分で方向修正できる。
「こうあるべき」という仮説に対して、「本当にそうだろうか」という検証ができる。


一方、フィリピン人は過去の植民地支配の影響なのか、
教育のされかたの問題なのか、国民性なのか、
第三者の決めた仮説に対して、疑問を持てない、工夫ができない人が多いと思う。


最近、日本人は自分の頭で考えていないと、ちきりんがブログで言っていたけど、
フィリピン人と比較したら、むしろ比較にならないくらい考えてると僕は思う。


だからといって「フィリピン人は使えない」と結論づけるのではなく、
いかにそういう人達をマネジメントするかが、この国でビジネスをする上での要だと思う。
最近は問題続きなのだけど、また今度それも含めて一度マネジメントは何をするべきなのか整理したい。