Wednesday, April 17, 2013

【立ち上げ準備 vol.2】座談会

前回も書いたのですが、市場調査の一環として、サービスの対象ユーザーの方をお呼びして座談会を行っています。サービスの初期フェーズのユーザーは日本人、西洋人の奥様方を想定しているため、1回につき5名程お招きしてお話を聞かせて頂いています。昨日も行い、既に2回実施しています。

僕が偉そうに言うのもなんですが、ビジネスというものは根本的には問題解決であるわけで、ユーザーがどのような不満、問題を抱えているかを正確に理解することが全てのスタート地点なわけです。
ただ最近気をつけないといけないと思っているのが、ユーザーの抱える問題には2つのタイプがあるということ。


その1つは”顕在化されている問題”です。例えば、ユーザーが「ベトナムには美味しい納豆がなくて困っている」と仰ったとします。この場合、もう既にこの時点でユーザーは何が不満なのか8割方理解されているわけです。これは問題が顕在化されている状況ですね。

一方、”顕在化されていない問題”というのも存在します。例えば、AppleがiPhoneをリリースする前に、「携帯電話とウォークマンとインターネットの機能が1つデバイスに収まっていて、しかもタッチスクリーンで操作できる」なんてニーズを明確に持っていた人が何人いたでしょうか。奥底に不満はあるのだけど、でもそれがモヤっとしていてうまく言語化できない。そういうのが問題が顕在化されていない状態です。


僕は前職が市場調査会社だったのですが、当時、業界メディアなんかを読むと「市場調査不要論」なんて言葉を耳にすることがありました。よく使われる例え話が、20世紀初期、まだ一般的な乗り物が自動車でなく馬車だった時代、ユーザーからあがってくる不満の声が「もっと馬の数を増やしてスピードを上げて欲しい」「もっと馬車のカゴをしっかり設計して揺れを抑えてほしい」というものだったそうです。

こういった顕在的な問題だけに目を向けていたのでは、作られるのは「もっと速く、もっと安定した馬車」であって、T型フォードという革命的な一般自動車は生まれなかったわけです。「市場調査でわかるのは顕在化されている問題だけであって、そんなものは不要だ」なんて意見も業界ではありました。ちょっと極端ではありますが。


既に顕在化されている問題を解決することはもちろん大切です。
ただ上記の例でもそうですが、ユーザーに一番価値を感じてもらえるのは顕在化されていない問題の解決なんじゃないかと思います。
今後も対象ユーザーの声を聞きながらも、そのもっと奥にある問題はなんなのかを見極めていきたいと思います。

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