Sunday, September 4, 2011

メンバーの抜擢と職場の安定感

フィリピンでチーム作りをしていて、
・現地人のミドルマネジメントを育てること
・向上心を持ってもらいつつも、競争意識は起こらないようにすること
は凄く大切だと思う。

まず、ミドルマネジメントを育てる必要があるのは、
日本人マネジメントだけでローカルチームを引っ張るのは限界があるから。
チーム作りをするうえで、いくら頑張っても乗り越え難い壁が存在する。

まずは言語の壁。
フィリピン人がいくら英語がうまいとはいえ、やっぱりタガログ語の方がコミュニケーションがとりやすいという人の方が多い。いくらお互い英語ができて、日常のコミュニケーションで問題なくても、お互い第二言語でコミュニケーションをとるには限界があるし、言葉によるちょっとミスも積り積ると結構なストレスになる。
次に距離感の壁。
日本人マネジメントがいくらフレンドリーに接しても、そこには雇用者と被雇用者という距離感はなくならない。そのためなかなか本音で話してもらうことが難しく、誰が何を悩んでいるのかとか、どこでどういう問題が発生しているのか全て把握するのができない。

当然だけど、フィリピン人の考えはフィリピン人が一番わかる
だから、この人は信用できると思った人は積極的に責任範囲を広げていって、育てていって、ミドルマネジメントとして動けるようだと判断したら、その人に任せるべき。
最近うちでも信頼できるメンバーをミドルマネジメントのポジションに抜擢して、グンと組織の安定感が増したように感じる。ただ僕達マネジメントとミドルマネジメントのコミュニケーションは通常の何倍も気をつけてする必要がある。

そうやって限られたメンバーを抜擢していくと、自然とチームの中で競争意識がうまれてくるんだけど、こちらとしてはなるべく競争意識が過剰にならないよう注意してる。
こっちでインターンの面接やメンバーの振り返りメンバーをして感じるのは、
フィリピン人は概して個人のキャリアより、職場の雰囲気を仕事をするうえで重視するということ。

有名なマズローの欲求段階説では、
欲求のレベルには5段階あって、上から順に、
・自己実現欲求
・自我欲求
・社会的欲求
・安全欲求
・生理的欲求
とある。

日本やアメリカは社会が充実しきっているので、
多くのビジネスマンは、自己実現や自我欲求を仕事をするうえでのプライオリティに入れる。
でも、フィリピンまだ発展途上の国なので、
いかに生活していくか、家族を養うかという安全欲求にフォーカスしている人が多い。
うちのスタッフも20代前半ではあるけど、親が仕事がなかったり、
兄弟姉妹がたくさんいたりで、既に家族の稼ぎ頭になっている子が多い。

なので一般的なフィリピン人は、キャリアプランよりも、
居心地のいい職場環境や、福利厚生の充実など、
職場の安定感が仕事を評価するうえで重きを置いているように感じる。

メンバーを抜擢して責任範囲を広げていくことと、
安定した職場環境を維持していくこと、
というのは相反することで、どちらかに寄りすぎてはチームがだめになる。
なので、マネジメントは気をつけて舵取りをする必要があるなと最近感じる。

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