Sunday, March 20, 2011

【映画レビュー】127 Hours

フィリピンから帰ってくるときに観たノンフィクションドキュメンタリー。
グランドキャニオンでトレッキングしている際に転落事故に遭い、
そこから127時間、「生きたい」という執念をただひたすら持ち、
もがき苦しみ、サバイバルし、
そして生きるか死ぬかギリギリのところで救助されるという壮絶なストーリー。


自分の腕に大きな岩に挟まれ動けなくなり、
最終的にはアーミーナイフで自分の腕を切るという、
生きる執念を生々と描いた作品。
フィリピンで映画を見てる際に気絶した人がいたとかいないとか。



ちなみにこれが実際に事故に遭われたAron Ralston本人。
地震の後、「生と死」に対して凄く敏感になっているこの時期に、

人の「生きたい」という執念を強く感じる作品。






Saturday, March 19, 2011

東北関東大震災MTG @豊洲

東北関東大震災から10日近くたって、
まだまだ復興には程遠く、ニュースを通して悲痛な話が流れてくる。
そんな被災者達に対して自分達はいったい何ができるんだろうと、
驚くくらいに日本人全員が考えているのをネットの動きをみていると感じる。

歌手は歌を歌って、画家は絵を描いて、ビジネスマンはアイディアを出す。
特にずば抜けたスキルを持っていない一般の人でも、
ソーシャルメディアを使っていろいろなムーブメントを起こしている。

例えばこのHOPEというfacebook pageは、
ネットに落ちている被災者の方々を元気づけるようなリンクを集約するためのコミュニティ。
こんな活動がいま世界中で毎日何十個も生まれている。

そういった中で昨日、TEDxTokyoのときにお世話になった竜太さんの呼びかけで、
豊洲にあるアパートのラウンジで僕たちはこの震災に対して何ができるのか話し合うMTGがあった。



実際に被災されたいわき市の人達をはじめ、
海外NPOのAllhands.orgの代表、
広告代理店の社会貢献部門で働いてる人、
独自で動いているクリエーターまで、いろんな人達が集まった。

いろいろ感じるものがあったので以下備忘録的メモ。
・震災援助にはフェーズがある
  人命救助→ライフライン構築→復興支援

・一次情報を得ようとする人が少なすぎる
 ニュースや新聞は震災の全体像を伝えていない
 逆に被災地で情報が限られる中、マスメディアが被災地を混乱させている

・募金だけでは復興はされない
 Building codeや土地の利権の整理など、復興のルールを早く決めないと、
 お金があっても物資があっても復興は進まない。Haiti, Hurricane Katrinaのときはそうだった。

・現地で実際何が必要なのか把握しないと何もできない
 ニュースや又聞きの情報を元にアクションを起こしても、
 被災地の復興には何も役立たない。だから、現地に話を聞きに行けるようなガッツのある人がいないと何もできない。

・アイディアだけでなく、いま自分が何ができるのか真剣に考える
 じゃあ実際、自分はどれだけの募金を集められて、どんなスキル、コネクションがあるのか、
 それを整理することが復興アイディアを出すことより先。

・被災地全体を一気に復興させるのではなく、1つコミュニティを選んでそこから集中的に復興する
 一般人ができるのは、MacroではなくMicroのレベル。
 1つ支援できそうなコミュニティを見つけだして、そこを中心に復興活動を行う。
 そこが復興され始めたら他のコミュニティへ徐々に進めていく。

まとめ
被災地復興を切り分けると
・ Long term と Short term
・ Macro level と Micro level
の2軸があるかと思う。

そこで僕達みたいな小さなコミュニティが一番うまく関われるのは、
Long termとMicro level。長期的な視点で個人・コミュニティ単位での支援。

そのアプローチとして、昨日はクリエーターさん、広告プランナーさん、海外NPO代表など、いろんな立場からのアイディアがでた。
広告代理店が政府と組んで東北のイメージアップをするとか、
現地から東京に避難してきた人達の相談サービスを作るとか、
極端なのは、フェリーをレンタルして物資を個人で運ぶ、などなど。

でも、僕個人が一番共感したのは、
Allhandsの人が言っていた以下のようなアプローチ。
1. 現地に行って支援可能なコミュニティ探し
2. 支援を決定したコミュニティで、いま何が必要なのかヒアリング
3. ヒアリングに基づいて、必要な物資、サービス、運送手段のリストアップ
4. Deadlineを切って、3を用意するためのファンドレイジング
5. 支援開始

アプローチがすごくロジカルだし、
これまでHaitiやHurricane Katrinaで支援をしてきた復興プロフェッショナルだけあって、
さすがこの分野のエキスパートという感じだった。
ただ話を聞く限りだけど、海外のNPOの人達ってやたら偉そうで、
「こうあるべき」っていうアイディアを押し付けすぎる傾向がある。
NPOだけじゃなくて、欧米のビジネスマンって大抵そうだと思うけど。
だから、田舎のお爺ちゃんお婆ちゃん、
あとそのコミュニティのトップである役所の人達と海外NPOがうまくやれるかは正直よくわからない。
そこは唯一の不安。

自分みたいな「復興支援をしたいければ、会社があるから本腰を入れられない」
という人達は世の中に結構いっぱいいると思う。
しかもクリエーターでもプログラマーでもないから、これといって何かモノを作れない人達。

じゃあ、そういう人達ができるのは募金だけなのかというとそうでもない。
もっとうまい支援の仕方は必ずある。
例えば、赤十字とかに漠然と募金するのではなく、
自分が共感できるNPOや団体を見つけ、それらを積極的に応援する。
また、自分が生み出せるリソースは何なのか真剣に考えて、
業務時間外や週末の時間を少し使って、その団体をサポートする。
そういう風に受身ではなく、少し姿勢を前のめりにするだけで、
もっともっと復興のスピードは速くなるはずだと思う。

もし被災地の悲惨なニュースを読んで心が痛くなるなら、それを是非アクションに移そう。
もし既に支援活動をしているなら、受身ではなく前のめりな支援を。

Sunday, March 13, 2011

東北大地震いまできること

もはや日本だと思えない。
地震、津波、被ばく。
世界の終わりみたいな光景がニュースで次々と流れている。

いま僕達にできることは何か?
いまネットではそんなトピックで持ちきり。
まとめると大きく2つしかない。

1つ目は募金。
こことか、ここに国内、海外の募金サイトがまとめられている。
僕はGrouponにいくらか募金した。
200円募金すると同額をGrouponを出してくれるという仕組みで、
いまの時点で世界中のGrouponサイトで77,432,800円募金されている(内半分がGroupon)
正月のおせち騒動にスーパーボールの広告問題で社会的に叩かれてるGrouponだから、
今回これだけの力を入れてるんだと思う。
どこまで本当にできるのかわからないけど、対応の早さ、世界中から募金が集まっている事実を見て僕も募金した。

脱線したけど、いま募金サイトはfacebookを始め、ネットで乱発している。
でも、やはり大手の機関を使った方がいいらしい、理由は以下の2点。
1. 騒動を狙った詐欺などに合わない
2. 大手の方がスケールメリットがある
→募金活動に慣れている
大きい機関を使った方が人件コストの削減になる

現金の募金だけでなく、
ECナビTポイントみたいにオンラインポイントを募金できるところもある。


もう1つは節電。
またブログでの伝聞だけれど、家電で使う電気は以下の通り。
・エアコン(2000-5000W)
・ハロゲンヒーターなどの暖房器具(500-2000W)
・ホットカーペット・電気毛布 (500-1000W)
・炊飯器(1000W程度)
・電子レンジ(1000W程度)
・ドライヤー (1000W程度)
・掃除機(1000W程度)


寒さも大分和らいできたこの季節、
エアコン、ヒーターなどをあまり使わないで、厚めの服を着て過ごすだけでも、
全体の使用量が大分変わってくるはず。

こんな大惨事がおきて、ただニュースを見ているだけの自分にハッとした。
無関心が一番の罪。
小さなことでも出来ることは全てしよう。

Friday, March 4, 2011

フィリピン最終出社日



今日でPOC勤務も最終日。
でもリアリティはなくて、来週の月曜もいつも通りこのオフィスで働いている感じがしてならない。

思えば、去年の5月に業務知識も殆どなければ、
そもそもフィリピンで何をするのかもよくわかってないままこっちに来た。
当初のオフィスは、韓国のオンライン英会話の会議室を間借りしていて、
5~6人でもういっぱいになるような広さだった。
エアコンも決まった時間にしか動かなくて、たまにビル全体が停電したりもした。
朝、薄暗いオフィスに入って電気をつけると、
部屋の隅にさぁーっと逃げていくゴキブリを横目に扇風機のスイッチを入れる、そうやって毎日が始まっていた。

でもそのオフィスで約3ヵ月、上田さんと毎晩喧嘩に近いような議論をして、
いまのオペレーションセンターの基盤になる仕組みを作り、
面接、インターンシップを重ねて人を雇い、
社員とのコミュニケーションを何よりも大切にしてきた。

経験もなければ知識もないので、
全てが手作りの組織で、毎日が綱渡りのマネジメントだった。
ITビジネスなのに半日ネットが全く繋がらなかったり、
面接で不合格だったのにインターンに無理参加しようと泣きながら訴える人が来たり、
一番信頼していたオペレーターが突然辞表届を出してきたり。
毎日何かしらのトラブルがあって、その度にアタフタしていた。

でも、いまPOCの中心になっているSupervisor 6人は全てが、
そのオフィスとも呼べないオフィスの時からうちに入ってくれた子達。
フィリピンでトップの大学を卒業して、他の大企業にも行こうと思えば簡単に行けるはずなのに、
POCで働くことに楽しさを、意義を感じてくれている。

いまPOCでは、
12人の優秀なオペレーターが24時間見積対応を行い、案件運用ももうすぐ週7日稼働になる。
クライアントには時差の問題なく安定したオペレーションサービスを提供でき、
従来セールスが対応していた業務の9割以上を既にPOCが巻きとっている。

以前、日系企業の人と話したとき、
一般的にフィリピンにオペレーションを移しても、
社員の育成が大変だったり、すぐ人が辞めてしまったりで、
ちゃんと機能するようになるのに数年かかると言っていた。

でもうちはそれを1年以内で作り上げて、
しかも、ただのアウトソース拠点ではなく、
「世界最高のオペレーションセンターを作る」というビジョンの基、
フィリピン人社員によって主体的に運営され、カイゼンされるスキームもできつつある。
まだまだ強化しなきゃいけない部分はたくさんあるけれど、
POCのメンバーなら更に凄いチームを作ってくれるはず。

POCが立ち上がり、大量の案件を受注しても運用していける仕組みは出来上がりつつある。
あとは、営業がどれだけクライアントからプロジェクトを持ってこれるかにかかっている。
それがこれからの僕の役割。

3月いっぱいは日本にいて、4月からLAの営業チームに加わる。
環境が変わっても、働く人が変わっても、僕がやることは同じ。
それは、いま自分の目の前にある仕事を極めること。

愚直に前進あるのみ。