Sunday, November 6, 2011

モチベーションについて

先週の金曜日、スタッフの1人が退職することになった。
実は、数ヶ月前からチームリーダーに「彼女の仕事へのモチベーションが低くて困っています」という相談を受けていた。
それで先日、業務評価、勤怠、面談など全ての評価を考慮した上で、
「この職場は君に向いてないんじゃないかな」と、こちらから退職を勧めることになった。

これでスタッフの退職は立ち上げから数えて4人目。
1人目は家庭の事情、2人目は転職、
そして今回のスタッフを含めて、あと2人はモチベーションの問題。

最初の2人は僕達はどうしようもできない部分だし、そこまで問題にしていないけど、
モチベーションの問題というのは結構組織に取ってクリティカルで、
どうにかならないかと頭を抱えている。

「仕事に対するモチベーションが上がらない」というのは、
オペレーションという業務をする以上避けられないことだとは思う。
しかも、それがBtoBビジネスで、マーケットは海外で(フィリピン人にとって)、
日々単調な業務で、極めつけは日本人社員の多くが英語があまり話せないという状況。

例えば自分が、メキシコのペンキ会社とかの業務アウトソース先で、
毎日同じような見積もりをだして、上司が英語喋れなかったりしたら、
多分会社を数ヶ月で辞めると思う。

だからこそ、僕達はできる限りフィリピン人そして自分達のスタッフが考えていることを理解しようとして、安定した居心地のよい、フィリピン人に求められる職場環境を整備しようとしてきた

採用時には、必ず何層ものふるいをかけて優秀な人のみを選ぶようにするし、
優秀さだけではなく、会社の雰囲気に合いそうかというのも重要な指標にしている。

それもあってか、
うちに長いこと働いてくれているスタッフは、「真面目で、勤勉で、安定を好む」人が多いと、先週スタッフが辞めた際に気づいた。
養う家族がいるので、フィリピン人の優秀な人の大多数がそういう性格だと思うけど、たまに例外がいる。

・ビジネスマインドを強く持っていて、独立志向がすごく強い人
・地頭はすごくいいけど、勤怠が悪くミスも多いような不真面目な人

新しく入ってくるスタッフは、面接やインターンで組織への適応度は細かく見られるのだけど、やっぱり長期的にでないと見えないこともたくさんある。長いこと会社にいると、採用時には見れなかったその人の本当の性格が見えてきて、会社の雰囲気に合わない人達は自然とモチベーションが下がり、組織の中で浮くようになり、退職ということになる。

今回もそんな流れに沿って退職を勧めることになったのだけれど、
同時に、残っているスタッフへのモチベーション維持をどうするか、という問題のアラートでもあったと思う。

いくら安定した仕事がフィリピン人に求められて、いい会社の雰囲気を保っていても、
単調な作業も何年も何年もやって優秀なスタッフがついて来てくれるほど甘くない。
その組織にいて「自分は成長できている」という成長の実感、
「この仕事は世の中の役に立っている」というやりがい、
がないとダメなんだというのは分かっているんだけど、うまく行動に起こせていない。

問題は、前者はマネジメントの未熟さ、
後者はBtoBというビジネス構造、会社のビジョンの問題、
なのかなと思う。

オペレーションチームの立ち上げはうまくいった。
でも、それを長期で維持していくというのはた別の問題。
どうやって社員のモチベーションを維持するか、というのは組織運営の永遠の課題だと思う。
ただ、それに何とかして向かい合っていかないと先は見えない。

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