Monday, October 25, 2010

会社のカルチャー

RPAの親会社のECナビって会社はとことん会社のカルチャーにこだわっている。
既存概念をぶち壊すベンチャー企業でありたいという想いから、
「海賊」というのが会社の一環したテーマになっている。
会社には海賊船をモチーフにした社内バーがあったりもするし、
オフィスのデザインも海賊ちっくだったりする。

入社してから「うちの強みは人とカルチャーです。どーん!!」
みたいな感じで、そもそも何でカルチャーってそんなに大切なのか深く考えないまま、
会社の雰囲気に飲み込まれてきた感が否めないけど、
フィリピンに来て組織作りをして、会社のカルチャーって大切なんだと再認識させられた。

考えるに、
会社がカルチャーを重視する理由は守りと攻めの2つの面があると思う。
守りだと、会社としての一体感作り、人材確保、従業員満足度向上とか。
会社のカルチャーで有名はZapposは、従業員満足度調査とかで全米企業トップ5とかだし、
それが更に新しい従業員を引きつけ、会社の一体感も維持している。

攻めの部分でいうと、会社の独自性作り、新しいアイディア創出など。
会社に他と混じらない強い色があるから、独創的なアイディアが生まれてくる。
サービスを作っているITベンチャーなんかは、こういう会社の独自性を特に大切にしている。

でも、こういうのって会社にそれだけのリソースがあるからできること。
言ってしまえば、カルチャーがなくても業務は回していける。
ただ、いまの組織をどうより良くしていくか考えた結果、
会社の価値観=カルチャーが生まれてきたんだと思う。


いまPOCではECナビに負けないくらいカルチャーを重視しているのだけど、
僕達がフィリピンに来て、最初からカルチャーカルチャーと考えていたかというと、そんなことない。
こちらに来た当初は、フィリピンにオペレーションセンターをさくっと立ち上げて、
いずれはBPOサポート企業にオペレーション全般を任せてしまう予定ですらあった。
RPA社員はそこまで組織運営にコミットせず、業務を教える方に注力するつもりでいた。

ところが、フィリピンの現状に直面してそんなスタンスを大きく変える必要があった。
主な理由は以下の2つ。
・うちみたいな名前もないベンチャーが優秀な人材を確保するのが難しい
やはり優秀な人材を確保するには、フィリピンのトップ4大学から、人をとる必要がある。
さすがにトップ4ともなると英語も流暢に話せるし、地頭もいい。
ただ、そんなエリート達が名もない日本のベンチャー企業に入って、
しかも長期で働いてくれるかというと、そんなことない。


・国の産業構造のせいで、フィリピンでは労働者の流動性が高い
コールセンターとか、アウトソーシングが主な産業のためか、
プロジェクト単位の雇用契約が多いし、「会社は短期で辞めるもの」みたいなマインドセットがあって、職場が気に入らないとすぐ辞めちゃったりする。


また、フィリピンでは欧米や日系のゴリゴリのトップダウンなマネジメントが多くて、
言い方は悪いけど、会社はフィリピン人を「使うもの」だと考えていて、
フィリピン人は仕事を「こなすもの」だと考えていて、仕事に対するスタンスが非常に受け身。

それにフィリピンはまだまだ貧しい国なので、
フィリピン人にとって仕事は家族を支えるためにあるもので、
日本人みたいにキャリアアップや、自己実現のために仕事をしている人は経験上少ない。
なので、職場の人間関係や、仕事の充実感の重要度は日本と比べてかなり大きい。


そんな現状をあれこれ咀嚼して最終的にだした結論が、
「自分達に必要なのはは会社のカルチャーだ」ということ。
簡単に言うと、"楽しい" 会社のカルチャーを全面にアピールして、
優秀な人達を集めて、その人達のリテンションを高めようということ。

POC is familyと僕達はよく言うのだけれど、
上司部下、日本人フィリピン人のようなヒラエルキーではなく、
僕達は、あくまで水平な、家族的な雰囲気を作ることに努めている。
一緒にご飯も食べに行くし、遊びにも行く、
でも、仕事するときはみんなプロフェッショナルとして働くというカルチャーを作ってきた。

また、そんなカルチャーがあってか、
マネジメントがオペレーターに仕事を一方的に振るのではなく、
僕達日本人スタッフがオペレーターに対して問題を相談して、一緒に考えてもらう、
という彼女達の主体性を伸ばすようなコミュニケーションをしている。

だから、僕達のカルチャーは、「あったら良いよね」ではなく、
「ないと困るよね」というところが出発点になっている。

もっとシステマチックに進めるべきじゃないの?
その組織体制は持続可能なの?
みたいな質問は嫌と言うほど考えてきたけど、
その問いに自信を持ってイエスといえるかというと、微妙なところ。
もちろん問題も山ほどあったし、対策として業務の仕組作りをずっと続けている。

ただ、フィリピンで最高のチーム作りをしようと考えたとき、
僕達は、この会社のカルチャーが鍵だと信じているし。
いま一緒に仕事をしている9人のオペレーターを見ると、
自分達は間違ってないんだと思わされる。

でもたまに場外ホームラン級のミスをして、
「ありえん、まじありえん」みたいなことはあるんだけど、
それはまた今度書こうかと。

では!

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