うちのオペレーションチームでは、MVP Awardという半期に1人一番活躍したスタッフを日本に招待する制度がある。招待されたスタッフは日本観光だけでなく、東京チームとミーティングをしたり、会社パーティにも出席してもらう。
それで先週、第一期、二期の2人のMVPが東京に初めて招待されることになって、
僕もその付き添いで3泊4日で日本に一時帰国してきた。
普通のフィリピン人にとって、日本に行くというのは、
金銭的にはもちろん、ビザの問題でかなり敷居が高く、
相当なスキルがあるか、お金を持ってない限り行くのは難しい。
なので、今回東京に連れて来たスタッフの興奮ぶりといったらハンパじゃなかった。
成田に着いて、空港のImmigrationを通るまでに既に10回くらい記念撮影をしてたと思う。
空港のゲートから出てから、目の前にあるバスカウンターでチケットを買い、
コンビニで弁当とお茶を買ってリムジンバスに乗り込んだ。
自分達日本人にとったら当たり前のことなんだけど、
フィリピン人の彼女達は、その日本のシステムの便利さと生活スピードに戸惑うばかり。
渋谷に向かうバスの中でも、
穴のない整備された道路や、次々に現れる高層ビルを見てしきりに感心する彼女達。
しばらくして、横に座っていたスタッフの1人が、
「なんでフィリピンに来たの?日本が恋しくならないの?」と聞いてきた。
こんないい国に住んでるのに、なんでわざわざフィリピンみたいな発展途上の国で働いているの?他に仕事ないの?とでも言いたいような風だった。
前にも書いたように、フィリピン人の生活プライオリティは、自分のそして家族の衣食住を確保すること。
日本でよく聞くキャリアや成長なんかは意識してないわけじゃないけど、プライオリティはそこまで高くない。
そんな彼女達にしてみたら、衣食住が日本みたいに世界トップクラスで充実した国を離れるなんてありえない、と見えるのかもしれない。
たしかに日本は豊かだし、何をするのも便利な国だとは思う。
先週の日曜に友達と目黒でランチしてたときも、
澄んだ青空の下、住宅街の一角でおいしいイタリアンなんか昼から食べて、フィリピン生活が長いせいか、何だこの豊かさはと愕然とした。
日本は豊かだし、すごく居心地がいい。
でも、なんというか日本には「勢い」がないじゃないかと思う。
現状維持、いいよね!という雰囲気がある。
もちろん尊敬する先輩、後輩はたくさんいるけど、日本という国全体で括るとそんな印象がある。
一方アジアの国は、
インフラ悪いし、街も汚いし、理不尽なことばっかだし、
でも、みんな豊かになりたい!というエネルギーに満ちている。
人から街からバイタリティを感じる。
だから、そんな中で生活していると僕は日本にいるよりアジアにいた方が「生きてる!」って感じるんだと思う。
でも結局は、豊かさを捨てて、勢いを求めるなんて、
現地の人には到底わからないことかもしれないし、
つまりは豊かな国で生きている人のエゴなんだと思う。
いままでフィリピン人の友達に「なんでフィリピンで働くの?」と聞かれたときは、
「成長市場だし、そういう場所で働くのは楽しいじゃん」と返してた。
そうするといつも「ふーん」という腹落ちしてないリアクションをされた。
今回スタッフと同行して、そんな先進国の人のエゴなんて現地では受け入れられることなく、
相当物好きなヤツだと思われてたんだなと今更気づいた。
ちなみに日本に行ったスタッフ2人は、東京オフィスで働く社員のプロフェッショナルさに刺激を受けて、フィリピンに戻ってからも今までに増してモチベーション高くチームを引っ張っていてくれてる。
現地スタッフの日本招待は、付き添いには大分気を使うけどたまにやるのはありだな思う。
特にミドルマネジメント以上のクラスには。
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