競合ひしめくアメリカのECマーケットで、
飛ぶ鳥も落とす勢いで急成長を遂げた、靴に特化したオンラインEC企業Zappos.
2009年にAmazonに買収されて、一時メディアで大騒ぎされていたのも懐かしい。
そのZapposのCEO Tony Hsiehの出した本 Delivering Happinessを、
先週末、Balerから帰ってくるバスの中で読み終えた。
初めてZapposを知ったのは大学のIntro to Entrepreneurshipの授業で、
「あなたの一番好きなウェブサービスは何か?」という教授の質問に、
クラスメイトの1人がZapposと答えて知ったのがきっかけ。
Zapposは、単なる靴やアパレルをオンラインで売っているだけではなく、
その徹底された企業文化とカスタマーサポートで急成長してきた会社。
POCでも会社のカルチャー作りや、クライアント対応という面で非常に参考にしている会社でもある。
この本ではTonyの起業経験談から、Zapposの生い立ち、
そして最終的には「人生何の為に生きるのか?」という幸福論まで書かれていた。
Zapposの凄いところは、この本の題名でもあるDelivering Happiness、
つまり顧客に幸せを届けることを組織の最大の目的に掲げていて、それを徹底していること。
採用、育成、広報、流通など、全てのオペレーションが利益を最大化することだけでなく、
顧客満足を最大化することにフォーカスされて行われている。
更に凄いと思ったのは、その目的のために会社がとっている施策、キャンペーンは、
単に理念や理想を追いかけるだけの取り組みではなく、
しっかりとしたロジックと仕組みでバックアップされていること。
例えば、ユーザーからの問い合わせの電話を取ることはZappos社員の1番のプライオリティに設定されている。
全体の売上の95%はオンラインからで、電話からは5%以下なのに、
コールセンターを海外にアウトソースするのではなく、敢えて社員にやらせている。
それは、ユーザーからの対応に社員が誠心誠意対応することで、
ユーザーの満足度を上げ、更には会社のブランド作りに繋がると考えているからだそうだ。
実際、Zapposの認知度はユーザーが広告塔として口コミで急増化していったし、
売上の7割はリピーターから生まれているらしい。
この他にもZapposでは聞いて驚いてしまうような一風変わったな施策がされている。
それらが例え「これは面白いのでは?」というアイディアベースで生まれたものだとしても、
直接的であれ、間接的であれ、求める成果に対して必ず貢献すると裏付けられているものが、
仕組み化され、徹底的に取り入れられている。
マネジメントにおいて、この成果への貢献というものは肝だと思う。
組織は日々、自分達が「あるべき姿」に近づくために動いている。
だから、採用、育成、広報、流通、営業など、組織内の全ての動きは、
その組織の理想像に最短距離で近づくためものでないといけない。
Zapposのとっている施策はcounterintuitiveなものが多いし、キャッチーな響きがするものも多い。
でも、それらを確実に成果に繋げているというZapposのマネジメントは、
10年で100億円企業を作り出しただけあって、学ぶことがいっぱいある。
*参考リンク
Zappos Core Values
Blog: Delivering Happiness, A Path to Profits, Passion, and Purpose
No comments:
Post a Comment